四代目又右衛門の頭の中を書いたブログ

MATAEMON'S THINKING BLOG

今週はお彼岸。卸の現場は総員出動し、お花の供給で大忙しである。
その現場ではもはや戦力外ともいえる私は、府内の生産者のもとを訪ねたり、いくつかの大事なプロジェクトの会議に出席したりが続き、バタバタの一週間であった。

ヒガンといえば、まずお墓参り。もちろん私も金岡家のお墓参りをした。
またヒガンといえば、彼岸団子。最近はお供え用のものはスーパーや和菓子屋さんで買うことが当たり前のようになってしまったが、私が小さい頃はおばあちゃんが自宅で小豆を炊いて作っていたことを思い出す。その頃の刷り込みか、私はあんこ(つぶあん限定)が大好きである。一時は「講演のお礼は、あんこでOK」と言っていたぐらいである。

それとヒガンといえば、彼岸花。この時期には田舎のあぜ道ではよく見かける。
今年初めての彼岸花は先週の九州出張にて見ることとなった。
少し前置きが長くなったが、その九州出張のことを今回は書きたいと思う。

今回は、朝一番の飛行機で伊丹空港から福岡空港へと向かった。天気はやはり雨。相変わらずのレインマンである。

そして空港からレンタカーで長崎へと向かう。途中サービスエリアで、気になるパンを見つけて購入、再び高速を走り、目的地である諫早へと到着した。
今回の長崎での目的は、パートナーと進めている農業用資材の試作ができたため、今後についてのミーティングである。

そのパートナーとは少し前からのお付き合い。農業や環境分野において研究と実践を繰り返してきて、驚く実績も持っている方である。年齢は90歳。もちろんという言い方は失礼かもしれないが、リモートでの打ち合わせができる方ではない。そのため現地にてしっかり聞き取りをしたいと思った。

今回、いくつか製品の開発に取り組んだが、化学合成品などは使わずに、全て天然の物質によるものである。すでに実績もある溶液を、特殊な製法で混合させたもので、バラエングループの試験農場でも防虫・殺虫の効果が確認できている。さらに今回バラエングループの資材に加えることで、強化されたオリジナル資材をいくつか作ることができた。

適応するものとしては、製品A~Dは温室コナジラミ、ヨトウムシ、葉ダニ、スリップス、カイガラムシなどに効果実績があり、フザリウムやボトリチスなどの菌類にも効果が期待できる。
また植物の生育の補助も行える。ただ化学品ではないので使用上のテクニックも必要になるが、テクニック次第では、その効果はまだまだ未知数である。
さらに畜産においても家畜の健康な成長の助けになるであろうと思っている。
まさに農家にとっては待ち望んでいたものであり、私が10数年前に地球と生産者の健康を守るために起ち上げたアースフィール社の悲願である。そのヒガン(彼岸)の花がもうすぐ咲きそうで、期待も夢も蕾も膨らんでくる。

このような魅力的なミーティングは半日かけてもまだまだ終わらず、移動の時間がきたので後ろ髪を引かれる思いで長崎の地を後にし、宿泊地である久留米へと向かった。

再びレンタカーに乗り込み、約2時間で久留米に到着。
ホテルにチェックインして、部屋に荷物をおいて、テイクアウトのお店に駆け込んだ。外は引き続き鉛色の雲が広がる暗い空なので、カラフルな餃子を購入。

さらにお昼にサービスエリアで購入した派手目のメロンパンをホテルの部屋でいただいた。色が綺麗だったからかもしれないが、気分が明るくなったような気がする。
さ~明日は久留米で活動。久しぶりなので楽しみである。

今日は最近ご縁をいただき、お近づきになったシャンプーハットのてつじさんのプロジェクトに触れてきました。

てつじさんは、本職の芸能以外に、山田錦(酒米)を自ら育て、日本酒まで(それも美味しい)手掛けられたり、京都の綾部市において空き家の再生プロジェクト(アヤベダファミリア https://ayabeda-familia.com/)を起ち上げたり、とてもアクティブに活動されている。
そしてその空き家プロジェクトの一周年を迎えるとのことでお誘いいただき、本日、陣中見舞いをかねて何かお手伝いができればと思い、綾部へと向かった。

綾部へは、宝塚から一般道をひた走る。台風が過ぎ去ったあとで、頭をたれ気味の稲穂や、しずくののった彼岸花を横目に見ながら約2時間で現地へと到着した。

まずは再会を喜び合い、私から1周年のお祝いに、又右衛門特製の金のはさみを手渡したら、とても喜んでくださり、早速シザーケースに入れておられた。
そしてすぐさま、このプロジェクトに参加されている皆さんに一人ずつ丁寧に又右衛門を紹介してくださった。本当に気遣いをされる素敵な方である。

皆さんには、私は植物屋であるということと、野菜の有機栽培や、健康な建築と庭の融合などについて活動をしているとお話をした。通常では「そのような取り組みは大切ですね」と関心されて終わることも多いが、ここに関わる人全てが人や動物の環境を大切にする活動をされていて、私が植物でそのような取り組みをしていることを喜んで、一瞬にして私を仲間に入れていただいたような感じでとても嬉しく思えた。

作業をしていると特製の自動販売機が到着した。その自動販売機はメンバーがデザインされアヤベダファミリアのネームやコンセプトが刻まれている素敵なものであった。

メンバーは各自で着々と作業を進めていく。この写真にある扉はスライドでもなく観音開きでもなく、回転して開くユニークなつくりである。さらに扉には贅沢なまでに煤竹(すすだけ)がたくさん使われている。この煤竹は古民家にあったものらしい。現在、煤竹は数がなく貴重な素材である。素材も良いがコンセプトとデザインも素晴らしいものである。

私は特に手伝えるところがなかったため、庭続きの裏山へと向かった。基本は特に珍しい植物があるというわけではないが、それでも探していると興味深い植物もあった。少し思いついたことがあり、山を降りて、てつじさんに耳打ちすると、とても気に入ってもらえ、早速取り組むということになった。これでまた面白いプロジェクトを一つ加わえることができた。これについてはまた後日紹介します。

少し遅めのランチのため、一緒に地元のおそばをいただきに向かった。それもてつじさん運転というとても贅沢なランチである。

しかもお蕎麦もとても美味しい。最高である。普段は麺類を多くいただかない私だが、美味しさに負けてしまい、気がついたら一杯を平らげてしまった。

そして、また現場に戻り、作業を眺めながら今後の植栽のことを考えながら、再び山へと入り考えてみたりした。

そのような間にも、次々と近くの人がやってくる。中には有機栽培や微生物農法に強く興味を持っている方もおられて「また次はいつ来るの?」と声を掛けてくださる。ありがたい限りである。

地元の人が、街から入ってきた人を遠目に観ながら警戒している光景を、いくつかの地域で目にしているが、ここではそのようなこともなく、多くの人が好意的に関心を持たれている。これもてつじさんの人柄や関わる人の素敵さからくるものだと思う。

少し前までは、私が一方的にテレビから伝わる芸風を観て笑っていただけであったが、ちょっとしたきっかけでてつじさんと知り合い、今まで画面からは伝わらなかった自然や物に対してリスペクトする気持ちや強い想いをヒシヒシと感じることができました。
そしててつじさんの「ゴミと言うものはない。全てが意味あるもの。その全てを活用していく。」という考えに、強く共感することができました。本当に素晴らしい取り組みです。

今回、私は少しの間の腰掛のような関わり方しかできなかったが、そのような私を迎え入れてくれて本当に嬉しく思う。それもこのプロジェクトに関わる方々は、宮大工の方や建築の方、設計士、デザイナー、日本を代表するようなゼネコンや不動産業、電気業、行政の方々などのスペシャリストであり、ユニークな考えやアイデアをお持ちの方々ばかりである。さらに植物に関するメンバーが増えたことにとても喜んでもらえるなど、本当に嬉しい出逢いの1日であった。

てつじさんの立ち上げた「アヤベダファミリア」。著名人や有名企業でありがちな、イメージ戦略のようなものではなく、自らプロジェクトを起ち上げ、自らが先頭に立って推進してくことは本当に素晴らしい。

だからそこに集まるメンバーもまたとても個性的で素敵な方々ばかりというのが腑に落ちる。

てつじさんには本当に感謝ですね。私とのプロジェクトは始まったばかりですが、楽しみがいっぱいです〜。皆さんも乞うご期待です。「アヤベダファミリア」是非検索してのぞいてみてくださいませ。

朝一番から部屋に閉じこもって、とても重要なイベントのリモート会議、続いて昼からも政府の支援を受け、海外輸出事業として取り組んでいるプロジェクトの会議。

少ない容量の脳を使い頑張り、破裂寸前になったので、終了後一転、外に飛び出し、車で淡路島に向かった。

今日の目的地は「兵庫県立公園あわじ花さじき」。
通年で素敵な花が咲き誇るとても人気のスポットです。そして私が今回訪問する理由は、9月18日からはじまる「淡路花博20周年記念花みどりフェア」秋期開催に設置される又右衛門プロデュースの樹齢約1000年のオリーブのフォトスポット、そのメンテナンスのためである。

強い風を受けながら頑張ってくれているオリーブくんに、オリジナル有機資材でメンテナンスを行ってきました。
しっかりメンテナンスは行いましたが、オリーブくんにとって何よりも力になるのは多くの人が、この地を訪れ、オリーブくんに声をかけてくれること!!!
是非、皆様には、covid-19対策をしっかり行って、おいでいただければ幸いです。

また花みどりフェアでは淡路島各地で様々なイベントも開催されています。

予定されていた9月25日の私のワークショップはなくなりましたが、他にも素敵なイベントがあるようです。開催の有無についてはHPなどでご確認ください。

是非、心地よい風を受けに、淡路島にお越しくださいませ。

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『みなとつながる「花 緑 食の島」淡路』をテーマに、兵庫県淡路島の各地で様々な展示やイベントが開催されます「淡路花博20周年記念 花みどりフェア」が、9/18日(土)に秋期開幕します。
春期の開催にて設置した、当社代表 四代目金岡又右衛門プロデュースによる「1000年オリーブフォトスポット」が、好評につき、秋期開催期間中も展示されることとなりました。
愛と平和の象徴オリーブは、接ぎ木によって広く伝わったことから「人と人、国と国をつなぐ」シンボルともいわれています。
兵庫県立公園あわじ花さじきで、樹齢約1000年の日本最大級のオリーブの木と一緒に想い出の1枚をどうぞ!

[開催期間]
9/18日(土)~10/31(日)
9:00~17:00 ※最終入園16:30

[開催場所]
兵庫県立公園あわじ花さじき

▼淡路花博20周年記念花みどりフェア公式サイト

https://www.awajihanahaku20th.jp/event/detail.php?eid=123

今日は、又右衛門プロツールコレクションにおいて、皆さんから高い評価をいただいている又右衛門花鋏(はなばさみ)に、新色が加わり、販売スタートしましたことをご報告いたします。

商品名は又右衛門花鋏「もえぎ」です。
薄くもなく濃くもなく、独特の輝きと、薄いグリーンの爽快感が感じられる仕上がりとなりました。

鋏の表面には、刃物製造において歴史と実績のある新潟三条からこだわりの鋏を世に送り出している外山刃物の「四代目 秀久」の刻印が記されています。

裏面には、僭越ながら、四代目秀久氏とともに歩んできた「四代目 又右衛門」を刻んでいただきました。

さらに、別パターンとして「MATAEMON」と刻んだバージョンも製作しました。

何故今回はこのように2パターンを製作したかというと、その訳は凄くわかりやすく、どっちにしようか悩んだので、両方作りました!というのが回答です。
ひょっとしたら両方欲しいという方も出てこないかな?という甘い考えは、ほんの少ししかありません。
ちなみに「又右衛門」も「MATAEMON」も刻まなくていい!という意見の方には、申し訳ございませんが、その意見は私に直接伝えず、担当にこっそり告げていただければ今後の製作に活かしたく思います。

冗談はさておき、この鋏は、見た目は少し現代風にポップな感じで、見た目を重視したようにも見えますが、その機能は、さすが文久から続く宗家秀久と言えるだけのことがある切れ味です。
最近はこのタイプが、手から滑り落ちないと専門職の方もお使いいただいたり、形が可愛いとのことから海外の方への進物にしていただいたり、とても好評です。

是非お近くにお越しの際には手に取ってその感触と輝きに実際に触れていただければと思っています。
またこのようなオリジナル資材や環境資材、ときめくような植物も今後どんどんリリースしていきたく思っていますので、お取り扱いいただければ幸いです。

有限会社薔薇園植物場 事業企画課 TEL06-6867-3900 までご連絡くださいませ。

2021.09.06

素敵なご縁。

朝一番から商品の写真撮りのために、大阪市内のスタジオに向かった。
そしてその機会に又右衛門自身の撮影もしていただくことになった。

最近スケジュールが詰まっていることもあり、少し疲れ気味の表情をスタイリストさんにうまく補修してもらう。
周りにおだてられ、うまくのせられて、その気になっての勘違い撮影していただいた。

このままカメラマンにうまくその気にさせられていけば、ヌードでもOKというテンションだったが、さすがにそれは誰も望まなかったので、程よく撮影終了(笑)
この写真は何に使われるのか?衆議院選挙か?写真集出版か?それとも・・・
そのうちに案内されるので、期待もせずにお待ちくださいませ。

午後からは別のミーティングを行い、さらに夕方からは素敵な方とのご縁をいただきお話をすることができた。その素敵な方とは・・・

テレビでよくお見掛けするシャンプーハットのてつじさんである。
てつじさんは植物が大変好きということで、会話もはずみ、とても楽しい話を聞かせてもらった。
京都の綾部にて活動をされており、その活動は植物が多く関わるため、又右衛門も関わらせてもらうことになった。
さ~これからどのようなプロジェクトに発展し、どのような魅力的な場所になるかワクワク感がいっぱいで、皆様にも乞うご期待である。

このようなご時世であり、大変忙しく、人気のあるの方なので、長時間話すことはNGであるが、そのような限られた時間で、てつじさんの植物への想い、人を気遣う温かな心、物腰の柔らかさなど、本当に人柄の良さが伝わってきて、とても心地よい時間をすごさせてもらえた。本当に素敵な機会をありがとうでした。

今日も魅力的な人に巡り合えた素敵な一日となりました。皆様ありがとうございました。再会を楽しみにしています。

昨日、朝から重要な2つのリモート会議を終え、慌てて空港に向かい、急ぎの新しいプロジェクトの打ち合わせのために深谷へと向かった。

夜遅く深谷に着いた時には、レインマンぶりを発揮し、雨がシトシト降っていた。
駅前のコンビニで、飲み物と簡単な食事を買い込んで、ホテルへチェックイン。改装して間がないのか、真新しい室内でベッドの寝心地もよい。
朝は簡単なビュッフェスタイル。これで4千円代の価格は、中々のコスパである。

今朝は昨日に続いての雨模様。さらにもっと強く降っている。
そのような中、以前からお世話になっている吉田さんがホテルまで迎えに来てくださり再会を果たした。
打ち合わせ会場に向かう車の中で「雨男ですみません」と私がいうと、「雨男・・・良いですね。雨はとっても貴重です」と返ってきた。普通の生活において雨男というとネガティブな印象の方が強いが、農業に関わっている人や海外に行くと雨男、レインマンはとても喜ばれる。雨や水の大切さを知っているからこそであるとあらためて思う。

吉田さんは、以前、行政にてその手腕を振るわれてきた凄腕の持ち主で、退職後NPO法人地域環境緑創造交流協会の要職に就かれ、更に幅広く活躍されている。

早速、私の現在の取り組みや今後の考え方について話をすると、とても共感していただけ、話がどんどんと前へと進んでいく。
そこに代表である富田さんも加わり、さらに話が加速する。
お互いの考え方、進む方向性、そしてニーズもばっちり一致している部分もあり、今後プロジェクトを一緒に進めていくことになった。

それも花き園芸だけにとどまらず、農業、水産、畜産、加工食品、さらには街づくり事業へも一緒に取り組んでいくことになると思う。きっと素敵な結果を様々なジャンルで残すことができると確信している。また一つ楽しみなプロジェクトが生まれた。

今回の訪問は数時間であったが、とても価値ある時間となった。
この訪問が明日になっていたら、ある大きなプロジェクトにおいては時期を逸していたかもしれない状況。とてもいいタイミングでの訪問となった。

スピード感をもって取り組んでいくことを約束し、降り続く雨の中、駅まで送っていただき、私は都内にむけて列車に飛び乗った。

電車の中で、パソコンを触っていると、また新しいオファーが舞い込んでいる。これもまた興味深いものである。

不要不急の移動を自粛しながらも、緊急性のある取り組みについて現地に赴くことはある。
そうでなければ産業や植物の今後に多大な影響を与えてしまう可能性があるからである。今回もそのようなものであったといえる。引き続き、自粛をしながら花き園芸産業の発展や街づくりに尽力していきたく思う。ワクワク感がいっぱいである。

昨年に発足され、環境やみどり政策に積極的な自治体や企業が参加している「日本みどりのプロジェクト推進協議会」のシンポジウムが、当会の事務局を務める一般社団法人テラプロジェクトの会議室から、リモートにて開催された。

又右衛門はテラプロジェクトの専門委員であり、バラエングループ、日本みどりの研究所が開設当初からの会員企業であるため、現地にて対応した。

シンポジウムは、阿部会長(長野県知事)の挨拶がリモートであり、溝畑副会長(公益財団法人大阪観光局理事長はじめ要職の方も参加され、基調講演として涌井先生からお話をいただいた。

先生方の話からは、みどりを通じて考え、取り組めば将来が見えてくることなどが発表され、多く共感ができ、自ら歩んできた道にさらに期待感が高まってきた。

当会の活動にご興味や関心をもってくださる方はお問い合わせいただきたく思います。是非一緒に歩んでいきましょう。

2021.08.21

ちんどん屋

今週は、重要なプロジェクトのミーティングが各地であり、リモートとリアルの両方で出席した。

博物館での打ち合わせは、薔薇の歴史に関わるものであった。
これについてはイベントの告知もふまえて後日にアップしたいと思う。

そして、2022年に開催されるアルメーレ国際園芸博覧会の運営委員会に委員会メンバーとして参加するために移動している時、心地よい鐘や太鼓の音が聞こえてきて、振り返るとそこには、ちんどん屋さんの姿があった。

久しぶりに晴れ渡ったビル街で、かなり気温も上がっていた状況は苦しかったであろうが、彼らはそんな姿を微塵も見せずに笑顔で、クライアントからのメッセージを伝えるために街をテンポよく進んでいた。
その姿にしばらく見入っていると、本日オープンのお店のチラシを手渡ししてくれ、声をかけてくれた。
私は通常街頭で配られるチラシやティッシュペーパーには手を出さないタイプだが、彼らのパフォーマンスに魅せられてしまい、しっかりチラシを受け取り、更に名刺交換まで行うことになった。

彼らのプロとしての仕事ぶりに気づかせてもらうことも多かった。
きっと彼らの素敵な笑顔は、作ってできるものではないと思う。クライアントの想いを心底から伝えたいという気持ちから生まれてくるのだろう。

又右衛門も彼らのように植物たちからのメッセ―ジをより広く、笑顔でしっかり伝えていきたい。伝えていかなければならないとあらためて思った。

四代目 金岡又右衛門。園芸界のちんどん屋、頑張ります!!!

COVID-19が日本にも拡がり、2年目のお盆を迎えることになった。
ビジネスとしては、業態によって厳しさは軽減されることはなく、今まで無いような荒天もあり、さらに厳しさを増している状況である。実際に15日のお墓参りもカッパを着ながらもずぶ濡れのお墓参りであった。
ただ厳しい状況でも、個人個人が注意をし、何とかお盆商戦を無事に乗り越えてくれたことは何よりの成果だと言える。手前味噌かもだが素敵なスタッフたちに、賛辞を贈りたいと思う。

そのような中、COVID-19の報道を聞かない日はなく、影響を受けていない人は世界でいない状況であるのがわかる。
私、又右衛門も同様で例年であれば年間10回ほど、仕事やNGOの活動のため海外に出掛けていたが、一昨年のマダガスカルやスペイン以来渡航ができていないまま、もうすぐで丸2年になる。
これだけ期間があくことはなく、すでに各地での出入国の手続きの仕方や書類の書き方を忘れてしまったかもしれないと思えるぐらいである。特にアフリカ諸国の手続きは結構難しいところもありいささか不安でも。

また国内も同様で、不要不急の外出を控えるため、どうしても現場で行わなければならない作業や指導、その他どうしても参加が必要なプロジェクト以外は、社内か隔離区間でのデスクワークとなり、出張の機会は激減している。
自分のパフォーマンスを最大限に発揮できない日々を、パソコンと向かい合いながら悶々と過ごしているが、今まで手を付けられなかった新規事業の計画立案に着手できてはいる。
ただどうしても頭で考えることが多く想像が先行してしまい、フィールドワークしながら進めていく姿勢の私は、どうしても前かがみになってしまっているように感じることもある。またデスクワークが多いため実際の姿勢も猫背気味でもある。

今も、自宅で周りが寝静まった後、パソコンに向かい資料づくりをしていると、遅くまで私と付き合ってくれている愛猫たちのユニークな姿が目に入ってくる。

彼らの姿をみて、自分の実際の姿勢、そして自分の行動や考えも前かがみではなく、背筋をしっかり伸ばしていかなければならないとあらためて思えた。彼らもまた素敵なパートナーである。

5日6日、世界遺産で知られる熊野を現地調査とミーティングのために訪れた。
今回は熊野古道に面する場所を保有する知人から、その素晴らしい自然や植物を大切にした取り組みや、まちおこしをしたいという相談を受けての訪問である。

朝、新大阪でパートナーと合流し、車で現地へと向かう。途中でお土産物を購入。和歌山県田辺市内で、ランチミーティングをした後、目的地である中辺路高原へと向かう。

熊野古道の中辺路ルートの入り口である滝尻王子を参拝し、高原のまちへと入る。
高原は山の中腹にあり、40世帯ほどの、自然に囲まれた素敵なまちである。まちに入ると車を停められる場所があり、そこからは熊野の山々が見渡せ、とても素晴らしい眺望である。

そこで高原のまちの説明を受けた後、知人の所有する区域の植生や地盤の確認などの事前チェックを行った。そこには杉やヒノキをはじめ、畑にはシキミが多く植わっていた。
そう、中辺路はシキミの産地である。ただ近年はシキミを出荷される生産者が少なくなり、各地で放棄地も出てきているとのことである。これも何とかテコ入れできないかとも感じた。

簡単にだがチェックができたので周辺の状況を確認しに出かけるため、一旦宿泊地である「霧の郷たかはら」へと向かった。

とても素晴らしい宿泊施設で「日本で行きたい宿TOP5」に入ったことがあるとネットでも紹介されていた。

玄関をくぐるとその素晴らしさが伝わってくる。ここで施設の見学とコーヒーブレイクをして、再び周辺探索のために出かけることにした。

やはり熊野の地でプロジェクトを進めるのであれば、熊野大社本宮は外すことができないため、久しぶりに参拝した。

ちょうど本殿前では舞?を奉納されており、しばし拝見。

そして再び高原に戻り、宿泊施設「霧の郷たかはら」に到着。
入口ではオーナーのジアンさんが出迎えてくださった。とても丁寧なお迎えに加えて、ユーモアあふれる気さくな対応であった。

施設内も案内していただき、ここで開業した経緯や、これまでのご先祖様の活躍エピソードも聞かせていただき、そのスケールの大きさにも驚かされた。
また彼自身も高原のまちを活性化させるために様々な取り組みをしており、感性の近い私たちは意気投合し、今後お互い協力しながら高原のまちを盛り上げていく取り組みをしようということになった。とても楽しみである。

とても盛り上がった情報交換の後、部屋に移動。そこからの景色は最高で、夕焼けがとても美しかった。さらに、透き通った空気のため、夜は星が手に届く距離に感じるぐらいキラキラと輝いていた。本当に素敵なロケーションである。

夕食は地元食材や山採りの山菜などが豊富で美味しい。さらに彼がしばらく暮らしていたスペインでの経験から、新鮮な食材をスペイン風に調理したものも本当に美味しかった。
その後も時間の許す限り、ミーティング行い、終了後は各自部屋に戻ることにした。

翌朝一番は禊のような雨がさっと降り、とても緑が美しい。
朝食をいただき、ホテルにて木工をされる方とのミーティング。
地元の方々との関わり合い方や、土地や木々の有効な利用方法などについてレクチャーを受けとても勉強になった。

本来であれば、この打ち合わせを終えて、午前中で帰阪の途に就く予定であったが、その方の計らいで急遽午後から森林組合や行政の方を招集していただけることになり、各自ランチをとった後に再集合するため、一旦解散した。

そして「霧の郷たかはら」をチェックアウトし、別れを惜しみ、再会の約束をして最後に記念撮影を行った。
二人で話した夢はいつかきっと実現させたいと思っているので、乞うご期待である。

ランチをするために近くのカフェへと向かった。ここは通常は予約でいっぱいであるようだが、うまく着席することができ、美味しい料理をいただくことができた。さらに陶芸の窯をもっており、とても美しい陶器を焼いていたのが興味深い。

食事をしていると、あることがきっかけにオーナーとお話する機会に恵まれた。
来年5月にグランドオープンされるということで、その機会にイベントなどをしていただけないかとのお声を掛けてくださった。素敵なカフェで、食事に陶芸品、そこのガーデンにて、何かユニークな取り組みができればと思っている。

ランチがランチミーティングへと変更になった後、地元の行政や世話役の方々との懇談会が行われた。この土地の歴史や産物などの話を聞き、まちおこしやブランディングについての意見交換会をし、非常に有意義な時間となった。
おまけにミーティング終了後、ご担当の方が現場に同行して指導していただけることになり、予想以上にスピード感を増すことができた。

その後、お世話になった方が作られる木工品などを拝見し、私たちのオリジナル品制作についてなどのお話をすることができた。

移動時間を差し引くと丸1日の訪問であったが、想像以上にうまく事が運んだり、予想外の出逢いもあったり、とても充実した訪問となった。お世話になった皆様、本当にありがとうございます。

さらに今回の私たちの訪問を見守っていただき、お導きいただいたであろう熊野の全てに心より感謝である。