四代目又右衛門の頭の中を書いたブログ

MATAEMON'S THINKING BLOG

2014.10.25

宝塚山本だんじり祭の意味

今日はだんじり祭りの本宮。本来だと宵宮から参加しなければだけど、前夜は直前のブログにも書いたのだけど10年来の集まりがあったため、今日からの参加になった。

山本では毎年このころの金曜夜、土曜日に行われる。そのため本来の祭りの日と若干ずれが出てくるのだが、今年はその本宮25日と土曜日が重なるちょっとしたレアな日程となった。

まず山本には、この近くでは珍しく2台のだんじりが存在し、一台は東の宮(松尾神社 山本中)ともう一台は西の宮(天満神社 山本西)に奉納?収納?されているため、法被にも両社の名前が書かれている。

 

 

そしてこれらの2台で山本の町を曳行させることになる。

 

まず朝6:30に西の宮に集合し、そこから始まる。

 

 

そしてこのだんじりを東の宮へ。そこで合流。

 

 

そして2台で出発し、山本の町を曳行していく。私は最近、西の宮のだんじりの後方で、押すことに専念させていただいている。確かに年齢的には少しキツい役割だが、気持ちだけはまだ若いつもりの私はこの位置が気に入っていて、毎年肩を腫らしたり、足の裏のマメをつぶしたりしながら、私なりに精一杯頑張っている。(肉離れやけがを繰り返してくると自己防衛の知恵がついて、肩ガードとかを手放せなくなってきてはいるが・・・)

 

このようにして進んで行くのだが、その経路の途中では、お旅所が設けられており、様々なおもてなしを受けることができる。これがまた楽しみの一つ。


 このような曳行しながら、お昼前に東の宮に戻り、だんじりのメンテナンスとして欠かせないグリスアップをする。

 

 

グリスアップを終了させると、すでに到着している、山本丸橋のだんじりと合流。

 

 

 

このように3台のだんじりが並ぶ姿は壮観である。

 

そして鏡開きで祝い、またそれぞれの町への曳行に出かけていく。

 

 

そうこうしているうちにお昼となり、地元の方々の炊き出しでお腹を満たし、しばし休憩し、あらためて曳行。

 

 

 

この時間帯ぐらいから、多くの子供たちが参戦してくれて、ロープでひっぱたり、押してくれたりしてくれる。本当に心強い。

 

そしてワイワイしながら、引き続き曳行し、夕方に山本駅前で平井地区のだんじりと合流。

 

 

ここでも丸橋だんじりの同様、互いにエールを送り合い、祈願を行う。

これも祭りの醍醐味の一つであろう。

 

そしてまた、多くの皆さんの手伝いを得ながら、曳行をし、東の宮に戻る。

 

そのころには、辺りは薄暗くなる。そしてまたお弁当をいただき、しばしの休憩。

 

そして再出発。もう辺りは完全に日が落ちて、だんじりの提灯には灯がともされ最後の曳行に向かう。

 

 


山本の夜の曳行が続き、西の宮、東の宮に行きそれぞれに曳行を終えただんじりを奉納?収納し、だんじり祭りの曳行を終えることになる。

 

 

最後にはまた東の宮で、地元の皆さんの炊き出しによるおもてなしをうけ、時間が許される限り、歓談が続き、そしてこの日を終えることになる。

 

私の祭りの参加はここまで。

 

今回は大きな怪我もなく、無事に終えることができた。少し身体は疲れたが、心は健康になった。本当にとても有意義な時間を過ごさせてもらった。

 

山本地車保存会の皆さん。お世話になりました。ありがとうございました。

 

 

 

 

私はこのような祭りの継続の必要性はかなり高いと思う。

 

まずは、本来の意味である皆を見守っていてくれていただいている氏神様へのお礼とこれから未来への祈願であろう。

 

それに加え、この一つの行事に多くの人びと関わることの重要性である。

私たちのような地場産業の場合は、多くの同業者が同地区に多く存在する。見方によっては競合先かもしれないが、そんなことは考えもせずに、この日ばかりは協力し合い一心不乱にだんじりを曳行させる。またそうとは違う立場の人たちでも、目的を一つにもって、一生懸命に関わりあうことにより、普段希薄になってきている近隣との関係がこれを機会に少し連帯感を培うことができるかもしれない。

 

そして普段では、最近のあり得なかった誘拐などにより、普段見知らぬ大人との接点が少なくなった子供たちも、多くの人たちに見守られながら地元の大人たちと接することが可能になり、普段では得難くなった山本のまちの歴史や伝統、文化や慣習などを地元の大人たちから座学ではなく、直接体で学ぶことができるであろう。

 

 

 

そして今はこんなに小さな細い腕だけど、いずれこの子たちの手が私たちの様に太くなり、また同じような思いでこのだんじり祭りを継承してくれるんだろうと思うと、まだまだ山本のまちの将来に期待を寄せたく思った。

 

そして最後の一つ。本当に単純なこと。
それは、だんじりの太鼓や鐘の音、飛び交うみんなの掛け声。

たったそれだけで、単純に心が高揚してくる。力がみなぎってくる。

 

血湧き肉躍る。まさにその様ではないだろうか?そんなこと中々普段では巡り合えない。心と身体のためにとても必要なこと。

 

 

本当に祭りって素晴らしい。あらためて思う。