四代目又右衛門の頭の中を書いたブログ

MATAEMON'S THINKING BLOG

2012.11.17

迎春用 松・千両生産地 視察

今年も何だかんだ言っているうちに、年末商戦の足音が・・・
私たち仲卸にとっては、この時期は皆さんにお届けする商材の確保などで東奔西走することになる。
そして今回は、茨城の松・千両の生産者さんのところへ。

ここ茨城では、迎春用の松を10月の末ぐらいから切り始め、
このような広い工場のような敷地に、切られた松が近隣の畑から順次運びこまれてくる。
そして多くの人数で手際よく選別されたものを結束し、

このような荷姿にして水槽まで運び込まれ出荷をまつ。


ここの生産者さんとは、先代からとても懇意にしていただき、毎年最上級のものを弊社用に準備していただいている。それは今年も同様。
ただ今年は茨城の生産地全体、台風の影響から枝がすれているものも多く、購入の際には吟味していただくとこが必要かと思う。
また千両のほうも



そこそこ順調とのことで一安心。
少し近くを周ってみると、


このような少しユニークな松なども多くあり、この地区一体は本当に正月商材の宝庫と実感できる。
今回もバタバタでこの地区を訪問したが、生産者は口を揃え、松・千両の生産継続に厳しさを感じているという。
近年の慢性的な不作、労働の確保などからの原価アップ、価格がもう少し上昇しなければ成り立たないと・・・
そのような要因から次なる設備投資もできず、このままでは衰退していってしまうことも考えられると・・・。
確かに昔は良い商品が高値で取引されたが、近年はなかなかそうともいかず、価格の低いものの要望が高い。それは販売している私たちも実感している。
工業製品であれば、そのような低価格の商品を大量に生産することも手掛けやすいが、農産物はそう簡単にも行かない。まして松や千両などは1年に一度限りの取引の為尚更である。そのためにも何とか価格低迷に歯止めをかけなければとは思うが、実際の小売の状況も、価格競争などから芳しくない。
今では量販店など様々な販売チャネルから、エンドユーザーにとっては、自分にあった価格帯のものを選択しやすい時代になった。
でもしかし、このような花の持つ意味、本当の良さをエンドユーザーに伝えていけているかは、かなり疑問に思う。
現に「千両って何?何で松を飾るの?」という若い世代が多くなってきている。
まずはそこからきちんとやり直すことが、これらの商品の価格上昇への取らなければならない一番の施策ではないかとあらためて感じた。