四代目又右衛門の頭の中を書いたブログ

MATAEMON'S THINKING BLOG

2023.01.03

市場の真ん中で思うこと2023年Ver.

1月1日 まだ辺りは暗い中、元旦の朝を迎えた。

まずは自宅の神棚をお祀りさせていただき、祝詞を唱えて1日のスタートとなった。

そして自宅を出発し、宝塚山本の東の宮である松尾神社を参拝させていただいた。朝早いせいもあり、参拝者はまばらで、ゆっくりお参りさせていただくことができた。

続いて昨晩のお礼参りと同じように西の宮である天満神社を参拝し、本社の神棚をお祀りに向かったが、新しい年でも相変わらずのおっちょこちょいの私はお供え物の1つを忘れてしまったが、時間の関係でそのまま大阪営業所のある豊中へと向かうことにした。

大阪営業所では、事務所の神棚と仲卸店舗であるローズガーデンの神棚、そして個人的に崇拝している神様をお祀りさせていただき、昨年の御礼と新年に対する想いを伝えさせていただいた。

その後、大阪営業所の氏神様である春日神社を参拝させていただいた。そこでは、普段から大変お世話になっている宮司様にもタイミング良くご挨拶をさせていただくことができた。その後、摂社末社を参拝させていただき、再び営業所へと戻った。

そしてこれも毎年同じにはなるが、私たちの商いの拠点といえる生花市場の兵庫県生花 大阪本部へと向かうことにした。

そして市場の真ん中にて、土地の神様に昨年1年間、私やスタッフや会社を守っていただいた御礼の意味で、あくまでも我流で作法も何もできてはいないが、感謝の意を込めてお神酒を供えさせていただいた。

思い起こせば、先々代社長である父に市場に連れられて、この地に通っていた学生時代から40年以上になる。そしてこの市場にて現社長である東社長はじめ、歴代社長に大変可愛がっていただき、多くご指導をいただき今このように仲卸をさせていただいている。

私が駆け出しのころには、掛け売りなどは許されず、花を仕入れる現金がなく、お年玉などで貯めた貯金を崩して現金で花を仕入れたり、恥ずかしながら、従業員にお金を借りたりしながら、花を仕入れたこともある。セリで花を買えなかったときには、お金を握りしめ問屋にいって買わせていただいたりもした。その時、私の悲壮感いっぱいの姿を見て「カモが来た!」とひそひそ笑っている人たちもいた。悔しい、恥ずかしいと思いながらも、見栄っ張りの私は、彼らに「カモが来ました。助けてください。お金足らないけど今から何とかします。」と笑いながらお願いして花を譲ってもらい、帰りの車で涙が止まらなかったこともある。

確かに当時は汗と涙の繰り返しではあったが、今思い返すとかけがえのない経験であり、大きな学びであったと思う。

そして、現スタッフとの素敵なご縁をいただき、彼らも日々経験と学びを繰り返し、頼りない私を支えながら、今では私など全く必要がない状況にまでなっている。本当に感謝である。

市場の真ん中に腰を下ろしていると、このようなことが走馬灯のようにめぐってくる。何もかもがありがたいものである。これからも引き続きお世話になった市場の仲卸として、花卉園芸業界の一員として、植物活動家 四代目 金岡又右衛門として、やらねばならぬことをしっかり見据えて、植物のために実直に歩んでいきたいと改めて想う。

それにしても、腰を下ろして何とも言えない温かさを身体で感じていると、沸々と勇気が湧いてくる。まだまだチャレンジはこれからだ。楽しみな1年である。

植物活動家 四代目 金岡又右衛門