四代目又右衛門の頭の中を書いたブログ
MATAEMON'S THINKING BLOG
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数時間だけ横になり、出発の準備。
しっかり朝ごはんをいただき出発。今日はスペインにおいて一番のパートナー企業であるViverosCanos社のナーセリーがあるドン・ベニトーへと向かう。
ViverosCanos社は、「ユッカ ロストラータ ブルースワン」などユッカ類やアガベ類などのデザットプランツにおいては、リーディングカンパニーで、スペイン産の高品質のユッカにおいて草分け的存在である。
マドリッドのホテルから高速道路をひた走る。当たり前かもだが無料がとてもありがたい。日本もこうなればいいなと思うが渋滞がひどくなると思うとそうでもないかも。そのような話をしているなかスペインでは電気代が急に70%上がったらしい。日本だったらこんな上げ方は絶対にないだろうと思うとどっちもどっちのような気もした。窓からはスペインらしくオリーブ畑を観ることができる。3年ぶりの光景に凄くありがたさを感じる。
約3時間でViverosCanos社に到着。早速必要な荷物を持って気温が上がらないうちに畑に向かうことにした。
農場はすぐ近くにあり、全部で約45ヘクタール。壮大である。まずは入口近くにある「ユッカ リギダ」が目に入る。
「ユッカ リギダ」は、ユッカの中でも一番美しいと言われているぐらい。シルバーがかっていて美しい。その中でも特にマルチヘッド少なく、良型のものをセレクト。
次は「ユッカ トレキュレーナ」。YuccaTeculeana。カタカナの表現は今後変わるかもしれないがその時はごめんなさい。この種は今まで私は輸入したことはないが、どのような反応になるかわからないので試験的にセレクトした。
続いて「エスペラロエ」。以前に輸入した時はインパクトが低かったため積極的に輸入しなかったが、最近問い合わせを多くいただけるようになった。恐らくロックガーデンやドライガーデンの素材としては格好で、3月ごろから10月ごろまで長く花を咲かせるのが人気の理由であろう。
その向かいには「ダシリリオン ロンギッシマム」。ロンギッシマムは土を好むため、根洗い後活着しないことがあるが、スペイン産は高確率で発根するので今後大きな期待ができる種である。
続いて希少種である「ユッカ リネアリス」極上品である。ロストラータに比べて葉が細いのが特徴。よく似た種の「ユッカ ケレタロエンシス」は以前ワシントン条約対象種になったぐらいである。個体数も少なく引く手あまたであろう。さらにこの中から頭が大きく美しく広がったものを多くセレクトした。
そして押しも押されもせぬ存在で人気の「ユッカ ロストラータ ブルースワン」この頭の大きさ、美しさは絶品である。
見事なシルバーブルーである。何度見てもうっとりで正真正銘の「ブルースワン」である。このネーミングはViverosCanos社が行い、日本にてバラエングループが商標登録をして展開していたが、更新の際にあまりに知名度が高まったせいか一般品種の名称と間違った判断をされたぐらいの人気種である。そのためこのような「ユッカ ロストラータ ブルースワン」をご希望の方はバラエングループから購入いただくか弊社の正規代理販売店を通じて又右衛門プランツの「ブルースワン」とご指名いただければと思う。
そしてその「ブルースワン」のマルチヘッドもいくつかあるので、良いものを日本向けに選別し、又右衛門エリアで管理養生して送ってもらうことになる。
それよりさらに大きなものが「ユッカロストラータ メデューサ」である。見事なサイズである。
ここのサイズで2メートルオーバーばかりである。一見小さく思えるかもしれないが、地面に植わっていてこのサイズ。すなわち鉢上げすると少なくとも50~70センチ高くなることを頭においていただければと思う。そしてこの中からもコンテナに立てて入るサイズを多くセレクト。
さらにトラックに載っている写真の「メデューサ」より大きくコンテナでは横にしなければならないようなサイズも限定数本セレクトをしたので楽しみにしておいて欲しい。
またこのような大きすぎて実用的ではないようなサイズのものばかりではなく、一番扱いやすいサイズもあり、6月に入荷予定なのでチェックいただければである。
この他に「ブラヘア」などもある。ただ、ヤシ類は全般的に根洗いすると枯死する可能性がかなり高くなるため、お客様の要望より植物の命を優先させたいと思う。
この頃になると気温はすでに40.5℃に達しており、現地パートナーも疲れ気味だが、私は久しぶりに植物を前にして興奮気味なのと、ほぼ40時間眠っていないのでハイになっていて疲れを感じられない状況であったためか超ご機嫌である。
ただそのような過酷な状況に皆さんを巻き込むことはできないので、程々で事務所のあるナーセリーに戻ることにした。
作業所には先ほどのナーセリーから掘り起こされたユッカ類がトラックに載って運ばれてくる。どれもが素晴らしい仕上がりである。
そして素手で手際よく葉をさばいていく。お見事である。このように土がついたままであれば、すぐに輸送すれば問題ないが、日本向けにはそうはいかない。しっかり根を洗うので、現地で養生しなければならない。それも長い場合は2年間ほどかけて又右衛門エリアで養生する。これをしないと枯死につながる。スペイン産であってもそのような状況にもかかわらず、最近日本では養生されていないロストラータが比較的安価で流通しているので要注意である。鉢と幹を紐や木で固定しているロストラータにはそのようなものが多いため、そのことを認識して判断をすることをお勧めする。
いかがでしたでしょうか?今日はスペイン ドン・ベニトーのパートナーナーセリーの紹介をしました。
今回セレクトした素晴らしいユッカたちは、早くて来年の春、場合によっては再来年の春のお届けになるかと思うので楽しみにしていただければです。大いに乞うご期待である!!